小型電動ヘリ WLToys V911 で遊ぼう

１．小型電動ヘリの利点と魅力
これは絶対おもしろい。「安い」し「壊れない」。かつて、ヘリのラジコン操縦を 諦めた人でも、一人で必ず操縦ができるようになり、ヘリ操縦入門には もってこいの商品だ。理由は、「小型・軽量」なので「部屋で」ホバリングの 練習ができる事、少々ぶつけても壊れないので「思い切った操縦」ができる事。 従前はこわごわ離陸して、飛行が安定する前にぶつけて壊れてやーめた、 となるヘリ操縦だが、これはすごい、壊れない、なので思い切った操縦 ができる。しかも操縦は小型といえど、ラジコン・ヘリコプタに違いないのだ。 これで誰でもヘリのラジコン操縦ができる事間違いなし。

とにかく安い。ここで紹介するWLToys V911 はフルセットで６０００円（送料込み Amazonで売ってる）。 これらにはヘリ本体、無線操縦装置（プロポと呼ばれる）、搭載バッテリ（Lipo２本）、 このバッテリの充電装置、 プロペラ（メイン・ブレード）の予備、しっぽのプロペラ（テイル・ロータ）の予備 など全部入っている。これで６０００円とは信じられない。このセットに 必要な物は無線操縦装置用の単３電池４本だけ。あとバッテリ充電用の USBの電源だけ。これはパソコンがあれば充電できる。
JR Propo販売のBlade MSR RTM フルセットなら５０００円ほど。あまり推薦しない。 理由は若干調整がやりにく。バッテリが１本しか付属されていない。 買い足すにはバッテリ１本で１３００円もし、しかも容量はWLToys V911用の３／４。 ちなみにWLToys用なら５本で１３００円（送料込み）ぐらい。

室内で飛ばせる。WLToys V911 は非常に小型・軽量で室内でもかなり安全に 飛ばす事ができる。ただし小型・軽量とは言え、プロペラはかなり高速で回転して いるので、小さい子どもの目に当たると、失明などの危険性がある。重大事故に つながりかねないので、各自自己責任で遊ぶこと。もちろん以下の内容も 個人的参考資料なので、すべて自己責任で遊ぶこと。
室内でヘリを飛ばせる事には初心者には大きな利点がある。それはいつでもすぐに 練習できる事と、風の影響を受けないこと。初心者練習にはもってこい。しかも 軽量なので、少々壁などにぶち当たっても壁・ヘリ共壊れない。 将来大きなエンジン・ヘリを 飛ばすにも、これは最初の練習や構造の勉強にうってつけ。 パソコン・シミュレータと合わせて練習できればもっといいかも。同梱説明書には まずシミュレータで訓練してから飛ばせ、と書いてある。でも壊れないし、安いの でぶっつけ本番で飛ばそう！！

いずれにしても、自分ひとりでヘリが飛ばせるようになる。これはオタク人類 にはとっても嬉しい事だ。以前はシミュレータもなく、人に教わらないと できなかった事だが、このヘリは部屋で飛ばせて、少々ぶつけても壊れない。 自分ひとりでラジコン・ヘリを楽しめるという大きなメリットを もたらしてくれた事になる。

２．練習概要
まったくの未経験の人が飛ばすには、ある程度は練習が必要だという事を、最初から 知っておく事は重要だろう。ドローンのように誰でもすぐに飛ばせるようなシロモノ とは大きく違う。いくらやっても飛ばせない・・・だからやめた・・・となると 悲しい。誰でもちゃんと「機体を調整して」練習すれば、必ず飛ばせるようになる。 （調整方法は後述）
昔はヘリをまともに飛ばせるようになるには、何機かボツにすると言う事が多かった。 しかしこの電動小型ヘリは少々の事では壊れない。びっくりするほど壊れない。 ヘリはある程度プロペラの回転数をあげないと、安定しない。でも最初はこわい。 急に滑り出してぶつかるからだ。でもこのヘリは思い切ってビュンと飛び上がれる。 天井にぶち当たって墜落しても大丈夫だ（自分の場合は大丈夫だった。でも最初は あちゃー壊れたか・・と思ったほどだったけど）。 この点がこの機体で練習する最大のメリットだ。
いい時代になったので是非がんばって、飛ばせるようになろう。

例え、５秒、１０秒でもホバリング（空中で止まった状態）ができると、かなり嬉しい。 小さい生き物を操っているようで、とっても感激できるだろう。 簡単には操縦できないからこそ、おもしろい。ドローンはすぐに飽きるらしい。

そのためには以下に述べる「機体の調整」をして、なるべく「簡単な操縦」でホバリング （空中で止まった状態）ができるようになる事がとても重要。ちゃんと調整 できていないと、機体が勝手に前後左右にすべってしまい、操縦を覚える前に、断念 してしまうことになる。 調整ができていれば、例えば操縦装置（プロポ）の左側のスティックを少し操縦 するだけで 概ねホバリングができるようになる。とにかくまずはホバリングが でき、それから機体を左右に向けて前進後退、また前向きのまま左右に移動などができる ように練習すると良い。そうすれば概ね自由に飛ばせる技術が身に付く。

３．ヘリの原理
ヘリの原理をざっくり説明する。これは後述する「調整」である程度必要になる知識だ。 ヘリは機体上部についた大きなプロペラ（メイン･ブレード）で浮き上がる。しっぽに ついたテールロータは、メイン・ブレードの回転で機体が反対回りに回転しないように 風を送って、その力を打ち消している。テールロータが無いと、機体がぐるぐる回転して しまう。
ヘリコプタはどうやって、前後左右に移動できるか。回転しているメインブレードを 真横から見ると その回転面は水平だ。これだと空中で静止する事になる。しかしこの「回転面自体」 が前方方向に 傾むくと、前方方向に機体が進む。下図の白い四角は回転面が水平になっている状態 を意味するとして、これが赤い四角のように、回転軸は垂直のまま前方に傾くのだ。

ではメインブレードの回転面をどうやって傾けているのか？　 直感的に考えると、モータの軸が傾くのか？と思われる。しかしそうではない。軸は 垂直のままだ。 高速回転しているプロペラが前に来た瞬間だけ下にさがって、うしろに来た瞬間は上に 上がる ようにしている。これで回転軸が垂直でもプロペラの回転面全体が前に傾くのだ。 うまく出来ているね。初めて考えて作った人は苦労しただろうね。うしろや 左右に回転面を傾けるのも同じ仕組み。
どうやったら高速回転しているプロペラをそんなに細かく制御できるのか。それは また別の専門書で確認して。ただし模型と実機ではその機構が異なる部分がある。

メインブレードの操作だけで、ヘリは前後左右に滑るように移動できる。 しかし機体自体を右や左に 向けるには、しっぽのプロペラ（テールロータ） の制御が必要だ。テールロータは機体が回転せず静止する ように風を送っている。しかしそれを少し強めたり弱めると、機体がゆっくり回転 する。こうやってヘリは機体を右や左に向けるのだ。

無線操縦装置（プロポ）のスティック操作で、以上のヘリの動作がどうなるか。 ここでは「モード１」の無線操縦装置（プロポ）で説明する。ここでいうモードは ちょっと置いておく。
プロポの右スティックは前に押すと、機体上部の大きなプロペラ（メインブレード） の回転が速くなり上昇する。 手前に一番引くと、メインブレードは止まる。エンジンのアクセル と同じで「スロットル」と呼ばれる。
左に倒すとメインブレードの回転面が左に傾き、機体が左に滑る。右に倒すと 機体が右に滑る。これは「エルロン」と呼ばれる。
プロポの左スティックは前に押すとメインブレードの回転面が前に傾き、機体は前進 する。手前に引けば、後方に後退する。これは「エレベータ」と呼ばれる。
左に倒すと機体が左回転し（上から見て反時計回り）、右に倒すと右回転する。 これは「ラダー」と呼ばれる。
この呼び名と下図のプロポのスティックの割り当てと、ヘリの動きはこの場で覚えること。 でないと、以降の説明が分かりづらいかも知れない。

通常、買ったばかりの模型ヘリで、プロポの右スティックを前に倒しただけでは （スロットルを上げただけでは）、機体 は上昇・空中で静止（ホバリング）する事はない。細かくは調整されていない 事が多いので、前後左右 どこかに滑り出し、壁にぶち当たる。（昔の機体ならこれでクラッシュ！） また完全に調整しても、完全に静止する所まではなかなか追い込めない。つまり絶えず 手で操縦して（微調整して）、ホバリングさせなくてはいけない事になる。これが できるようになるまでに、かなり練習が必要なのだ。

調整は初心者には無理・・・と考えないで。ある程度調整された機体で練習 しないと、ホバリング（空中静止）が出来る前にいやになる可能性が大きいから。 調整された機体と、されていない機体とでは操縦はかなり違う。調整された 機体の方がずっとやさしい。入門者ほどよく調整された機体が必要なのだ。 以下に調整方法を記述するので、必ず調整してからホバリングの練習に挑戦して ほしい。

プロポのモードについて説明する。機体の操作をプロポのスティックに割り当てる 方法は４つのモードがある。国内ではモード１が主流なので、下図でこのプロポを モード１に設定する方法を示す。モード１になったら、LCDにMODE 1 と表示される。 他のモードに興味があればマニュアルに４つの割り当てが記載されている。 それにしてもこのプロポはよくできている。４つモードが自由に設定できるぞ。 ちょっとびっくり。これが付いて６０００円とは！

４．ヘリ機体の調整
まず何度か飛ばそう。まずV911ヘリにバッテリを装着する。装着したらすぐに床に置く。 すると赤LEDが早く点滅して、機体安定のための初期設定などが自動で行われる。 初期設定中に機体を動かしてはいけない。赤LEDの点滅 がゆっくりになったら、プロポのスロットルを手前に引いてから、 プロポの電源を入れる。プロポのビープ音がピッピッピ、ピーーと鳴ったら、 通常はこれでヘリ機体とプロポとの無線リンクが完了する。スロットルをゆっくり 前に押し、メイン・ブレードが回転を始めたら、リンク成功。一連のこの手順は常に 守る必要がある。守らないとラジコンができない。

機体の床への置き方は、自分の向いている方向に、機体の前の方向を合わせて置く （しっぽが手前）。この向きで飛ばすとエルロン操作のスティックの左右と 機体の滑る方向が一致する。エレベータ操作のスティックも前に倒すと、機体も前に 進み、うしろに引くと、機体もうしろにさがる。ラダー操作のスティックは左へ倒すと 機体が左を向く（しっぽは逆に振れるのでしっぽは見ないように習慣付けよう）。

その状態で勇気を出してスロットルだけを半ばぐっと上げてみよう。あまりの 急上昇は天井 にぶち当たるので要注意。あまりゆっくり過ぎるのもだめ。１ｍぐらいふわりと 浮くぐらいがいい。 ヘリは浮き上がって、どこかへ滑るように飛んで行き壁にぶち当たる。多分、 壊れないはず（壊れても責任は持たないので要注意）。 墜落したらすぐにスロットルを下げる。

今度は、ラダーだけ操作しながら、スロットルをあげて浮かせてみよう。 ラダーをなんとか操作して、操縦者の前方方向と、機体の前方方向が合うように 操縦してみる。そうして、機体がどちらに滑るかをよく見ておく。 「機体の調整」は、機体が勝手に滑り出すのを抑制するように行うのだ。

機体調整のために、本体カバー（キャノピと呼ばれている）を外す。下図の２点で プラスティックの棒が刺さった様に止められているだけ。これを抜いて外す。 反対側にも同じ２点があるので外す。指で突き出た棒の先を押し込むようにして カバーをはがす様に外す。

本体カバー（キャノピ）を外すとこんな状態。うしろ横から見たら。

真正面から見たら。この小さい基板に、無線受信機、プロセッサ、３軸センサなど がちりばめられている。

まず最初にエルロンを調整しよう。勝手に右や左に滑らないように調整する。 初期状態でもし左に滑るなら、 エルロン操作では、スティックを右に倒して、左に滑らないように操舵したいところだ。 しかしこれは機体が調整されていないから、左に滑る。これを調整によって 左に滑らないようにしたい訳だ。

プロポと機体の無線リンクが取れた状態で、機体を手でつかんで、スロットルは 下げたまま、エルロン操作のスティックだけ右に倒してみる。 するとこのプロポの操作で、機体の「後ろ側から見て左の縦棒」が上に 上がるように動くはず。（下図は機体後ろ側から撮った縦棒の写真。 左がエルロン、右がエレベータ用の縦棒。縦棒はリンケージ・ロッドなどと 呼ばれる）

つまり、初期状態の機体が左に滑る癖があるなら、 「左の縦棒」を少し上に上げるように調整すれば、エルロンを少し右にきってるのと同じ 状態になり、左に滑る癖が抑えられるはず。調整原理はこれだけ。 エルロンの左右、エレベータの前後のそれぞれの癖も同様に抑えられるはず。

ではどうやってこの「縦棒」を少し上げたり、下げるように調整するのか・・・。 下図はエルロン操作で動く縦棒のボール・ジョイント部分を外したところ。 このジョイント部分はボール状の先端にわっかがはまったような構造なので、 わっかを外に引っ張ると外せる。最初はちょっと堅いかも知れない。 慎重に力を加えて外す。外れた反動で、部品を壊さないように。

この縦棒は金属棒の上に、プラスティック棒（黒い部分）がねじ込まれている。 このプラスティック棒を回すと伸びたり縮んだりする。普通の右ねじなので 右回しで縮む。上述の例では左に１回転半ほど回して伸ばせばいい訳だ。 このような調整は、面倒でも機体カバーをちゃんと元に 戻してから癖の軽減状態を確認すること。重心のずれがあるので、通常の 飛ばす状態に戻してから、確認しないといけない。

確認、縦棒の調整をする、確認・・・を繰り返して、ヘリの機体が左右に 勝手に滑らないようにする。いくらやっても、ほんの少し移動していく程度なら まあそれでよしとしよう。

エルロンの調整がほぼ出来て飛ばしてみると、今度は概ね 左手のスティック操作だけでヘリをある程度 制御できるはず。右か左に少し滑ったら、そのときだけエルロンをちょんと 操作して、元の位置に戻せるようになる。ただしエルロン操作のスティックは スロットルにもなっていて、スロットルを変化させずにエルロンだけを 操作するのは慣れが必要だ。

それから今度は、エレベータの縦棒（機体うしろから見て右の縦棒）の 調整をしよう。調整がほぼできあがると、スロットルあげるだけで、その場 で上昇するはず。あとは主にエレベータとラダーで操作して、ときどき エルロンをチョン・チョンと操作して、ホバリングができるように なるはずだ。

面倒でも一度自分で、プロポのエルロン・スティックやエレベータ・ スティックを動かしてみて、機体の縦棒がどう反応し、どっちに動くかを 確認して、縦棒を伸ばすか縮めるかを決めよう。ジョイント部分は慎重に 抜こう。力を入れすぎて、外れた反動で部品を破損しないように工夫しよう。

とりあえずスティック操作と縦棒の動きを記す。
エレベータ・スティックを手前に引く−＞機体うしろから見て右の縦棒が上がる
エルロン・スティックを右に倒す−＞機体うしろから見て左の縦棒が上がる

ラダーの調整は、テールロータの回転スピードの調整になり、これは容易には できない。これはひとまず断念しておこう。

ほぼ調整が完了したら、模型用の歯車グリスをモータとメイン・ブレードの歯車に 塗っておくとよい。このグリスはモリブデンが入っているので真っ黒。

５．ホバリング（空中静止）の練習
機体の調整が終わったら、スロットルを上げて飛び上がろう。ゆっくり前後・ 左右に滑るかも知れない。この微調整は後述の「プロポのトリム調整」で、 この微動を抑えられる。プロポには「トリム」というスイッチがついている。 これを押すと、スティックが真ん中にあっても、最初からどちらかへ倒せている 状態を作れるのだ。上述の機体調整と同じだが、調整範囲は小さい。 前述の機体の調整だけでほぼホバリングの練習が できるようになるので、とりあえず練習しよう。

最初は調整したからと言って、すぐにホバリングができる訳ではない。 やっぱりプロポのスティック操作に慣れる必要がある。空中にただようヘリ を瞬間的に操作しないといけないので、どうしてもあせって、まごついて、 パニックになって、ぶち当たって墜落ばかりする。それでいい
プロポの持ち方は両手で左右からつかむように持つが、概ね親指の 第一関節が十字に動くスティックの中心真上の位置にくるようにする。 力を抜いた状態でそうなっているのがいい 。指の位置が偏っていると、無意識のうちに スティック操作も偏って、つい予期せぬ方向に機体が動いてしまう。
調整さえできていると、例えばエルロン調整で左右の滑りが軽減されて いれると、エルロン操作は時々するだけで大丈夫なので、最初は左手の 操作だけにほぼ集中できる。それで１０秒、２０秒ほどホバリングができる ようになると、しめたもの。１０秒、２０秒でもホバリングができると 実に面白くなる。すぐに墜落ばかりだと面白く無いが、 ちょっとでも初めてホバリング ができた時は感激するのだ、面白くなるのだ。こうなると上達への入り口に 入れた事になる。

最初は頭の中で考えながら操縦する事になるが、上達とともに勝手に手が 動くようになるよ。 徐々に左手操作も上達してくる。するとエルロンやスロットルの 操作もできるようになってきて、更に３０秒、１分とホバリング状態を保持 できるようになってくる。やったねー、初心者でも実に楽しく感じるはず。
エルロンやエレベータのスティック操作は、最初はチョン、チョンと入れて 機体位置の調整をすればいい。ヘリはそのたびに波打つように動く。前後左右に フラフラする。それでいい。 上達者のようになめらかでなくていい。徐々に操作になれてくると、 自転車を乗るように、無意識に反応できるようになる。

こうやって、ホバリングさえできるようになれば、あとは自分でどんどん 操作の練習ができて、ヘリ操縦者の仲間入りだ。ホバリングの練習をしていると 分かると思うが、前後左右に移動すると高度も下がることがある。これは 浮き上がる力が移動に使われてしまうので、当然高度が下がる。なので移動する 時は 少しだけスロットルを上げて高度保持をしてやらなければならない。 そのような配分も自然に 操作できるようになってくる。 最初は右だ、左だ、前だ、上だ・・・と１つ１つの操舵になるが、 徐々に慣れてくると、右に移動しつつ後にもさがり、高度を少し上げながら・・ とそれぞれの操作を連係して一度にできるようになってくる。 そうなれば、壁にぶち当たったり、墜落する事もなくなる。

この小型電動ヘリの弱点は、バッテリ容量が小さいことだ。ホバリングが なかなかできない内は、結構時間がもつ様に感じられる。でもホバリングが いくらかできるようになると、数分で電池がなくなり、メイン･ブレード、 テールロータの回転数が落ちてきて、コントロールがおかしくなる。仕方無いね。 また、機体が軽いので安定性は良くない。その分操舵の練習にはなるね。

トリムによる調整を説明しておく。第４章では機体の縦棒で調整した。トリム 機能は無線操縦装置（プロポ）で行う調整だ。
例えば機体が少しずつ右に回転していく癖がある場合では、ラダー操作のスティックを しょっちゅう左に倒さないといけない。これは面倒くさい。なのでプロポの機能で 「スティックをずっとちょっとだけ左に倒した状態」に設定できるのだ。 これがトリム機能。ラダー用のトリム・ スイッチを左に１度押す。これで１個分トリムが効いた状態になり、 ラダー操作のスティックを「ずっとちょっとだけ左に倒した状態」と同じになる。 トリム・スイッチをもう１度押すと、２個分のトリムが効く。こうやって適当な トリムを効かせる。トリムの設定状態はプロポのLCD表示盤に表示される。

機体の調整は構造の物理的調整だったので、機体から電池を外しても、 当然その調整した状態は機体に残る。しかし トリムの調整は、プロポの電源を切ると元に戻ってしまうので、毎回調整する 必要がある。上等なプロポはメモリに残るが、安物だから仕方ないねぇ。

６．V911余記
WLToys V911-1 のセット内容。あと説明書（中国語・英語）が付く。このセットで ６０００円とは安い買い物だ。多分コピー商品なので開発費用はただなのでしょう。 いずれにしても、６０００円でこれだけ遊べるので安い買い物だわ。
１４歳の子供に与えるのはちょっと惜しい気がするわ。 （もともとは１４歳以上の子ども用のおもちゃなんだって）

V911の機体を正面から見ると、左に傾いている。これは 機体下部の脚フレームに突起が出ているためだ。

どうしてこんな風になっているのか？？？　最初はプラスティック成型時のバリか と思ったが、箱の写真にもこれが写っている。何か分からないけどそのままにして いる。機体にバッテリを装着した時に、機体水平の調整をとっているので、傾いた まま認識しているはず。それで最初機体が左に滑る癖がついているのかも知れない。 （ちなみにV911proというバージョンには突起はついていない）

LiPoバッテリについて
Lipoバッテリはかなり危険性のある電池のようだ。取り扱いには十分注意し、 充電・放電中は目を離さないようにしないといけない。 放電した直後（飛行した直後）、電池がまだあったかい内は充電してはいけない。 充電器に差したまま、 充電時間に外出など決してはしてはいけない。いつ発火するかも知れないようだ。 保管するときは満充電はさけて、半ば放電（飛行）してから保管する必要がある。 満充電での保管は危険で、過放電での保管は電池の損傷につながるらしい。 常に充放電中の電池の温度は気にして、熱いと感じられたらすぐに充放電は中止して、 発火しても大丈夫な状態で２０分ぐらいは監視下に置く必要がある。 損傷したもの、膨張したものは絶対に使用しないようにしよう。古くなると パンパンに膨れて来るものがある。（中で発酵しているのかな？と思うぐらい）
自分は充電したLipoはガラス瓶に入れている。勿論、充電したままの状態では 放置しない。使用後もガラス瓶に入れて、フタはゆるめにしている。 もし発火してもビンが爆発しないように。安いのはうれしいけど、 中国製なので過信は禁物でしょう。

V911の修理方法