DS203ユーザーズ・マニュアル  
01

 

 
イントロ
DS203 V2.6はポケットサイズの4チャネル デジタルオシロスコープだ。これはARM社のcortex-M3仕様の STM32F103VCT6プロセッサ(32ビット)を使用し、更にFPGAとハイスピードADコンバータの利用で 72MS/sのサンプリングレートを実現している。2MBのUSBディスクを内蔵し、波形、ユーザアプリ、 アップグレード・ファームウェアを保存できる。
 
DS203の使い方を備忘録程度にまとめたので、公開しておく。DS203は、オープンソースのため、コピー商品が あるようだ。DSO QUADやDSO203などが本物でしょう。AliexpressのDS203は、送料込みで14,000円ぐらい。 問題なく動作するようだ。ホビーユースなら、コピー商品でまあ、いいんではないでしょうかー。
ソフトはもともと入っているものは使わず、下記のような公開されているフリーのものを導入して使っている。 もともとのよりは、使い勝手がいい。また、フリーの周波数応答測定アプリも使える。 安いポケットタイプ・オシロなのでAF領域しか利用できないけど、仕方ないね。
 
 
公開アプリの導入方法
 
xxxx.HEX ファイルをダウンロードする。公開されているアプリのページの「xxxx.HEX」をクリックしても HEXファイルのダウンロードが始まらず、数字羅列のページが表示される。そのページが表示されている状態で [CTRL+S]を押して、保存先を指定して、PCに保存する。その保存ファイル名はそのままで拡張子だけ .HEXに 変更する。(もし保存したファイルが .HEXならそのままでよい)
次にPCとDS203をUSB接続して、DS203のボタン1[ >|| ](左端ボタン)を押したまま電源を入れる。
すると、PCからDS203がUSBストレージ・デバイスとして見えるので、さきに保存してあったHEXファイルを DS203内にコピーするだけでいい。DS203の電源を切ってUSBを切って、再度DS203を電源オンすると 新しいシステムアプリ(GCC v1.29)が立ち上がる。システムでない通常のアプリなら、ボタン2〜4のどれか ボタンを押しながら、電源を入れると、その対応アプリが立ち上がる。
 
GCC v1.29はこちら   Essential scrap (Frequency response Appなど) はこちら
 
DS203のオリジナルは使った事がないが、以下のGCC v1.29とほぼ同じはず。
 
 
GCC v1.29 APPの使い方
 
03
基本的操作は、右トグルSWでCH(A) --> CH(D) ----> を移動して、更に、左トグルSWでその中の項目を 選んで、ボタン4▲や左トグルSWでまたさらに項目などを設定する。
 
まず右トグルSWで、大項目の切り替えをする。
大項目とは画面最上段の 水色CH(A) 黄CH(B) 紫CH(C) 緑CH(D) 青=出力 茶=トリガ設定 水色=トリガ入力 下段 各項目
 
大項目を選択した状態で、それぞれ大項目内のメニュの切り替えを左トグルSWで選択する。
例えば 大項目で水色CH(A)を選択しておいて、左トグルSWを左右すると大項目内のメニュが切り替わる。
  CH(A) -> ×10 -> OFF  という風に。
更に大項目内のメニュごとに、また項目があり、それはボタン4▲で切り替える。
例えば右トグルSWで 水色CH(A)を選択し、ボタン4▲を押すごとに CH(A) -> AC -> V/div値 -> YPOS と変わる。
 
更に例えば AC を選んでいる状態で、これを AC -> DC に変更するには左トリガSWで選ぶ。
どうすれば何がどう変わるかは、実際に操作して慣れるしかない。
 
 
以上の操作で、測定に関する設定をやっていく。
面白いのは、大項目で 緑CH(D) の項目。FFTやSPCT-Aなどがある。下の画面画像は、DS203の波形ジェネレータで 1kHzのサイン波を出し、CH(A)で波形を見て、CH(D)をFFT-Aにしてスペクトル(下側緑表示)を出している状態。 しかし・・・2万円前後で、このように波形が見れて、FFTだけどスペクトルまで見られるなんて・・すごい時代に なったものだ。
 
測定値メニュを表示するには、ボタン3●で表示・非表示を切り替える
 (測定値メニュとは・・下にある画面画像の、右4分の1に表示されている数値表のこと)
測定値メニュの表示パタンを変更するには、右トグルSWを長押しして、切り替えていける。 そして右トグルSWで項目を上下する。
変更したい項目に移動して、左トグルで項目自体を変更できる。
その項目のチャネル(CH(A)〜CH(D))を変更するには、ボタン4▲で出来る。
ただし、4色表示(CH(A)〜(D)を2項目ずつ表示している状態。=下の画面画像)では、表示パタンの変更は不可。
 
表示についての設定は、電源を切ると元に戻るので、その表示設定を保存するときはボタン3を長押ししておく事。
 
スクリーン・ショットを保存するには、右トグルSWを操作して、下段に(ギザギザの上に)白い字で Filexxxx...と出るように選択し、左トグルSWで Save File xxxx.bmp などに合わせて、左トグルSW を押し込むと、指定したファイルネームで保存される。
保存した画像は、その状態でUSB接続してPCに取りこめる。
 
測定用のスケールも上記操作に準じた方法で操作できる。
 
 

 
各ボタンの機能説明
 
ボタン1>||
Run/Hold状態の切り替え。
(長押し 1/2秒)チャネルA/Bのvolts/div へのショートカット
選択したチャネルのモード選択にはいる。もし既に選択したチャネルの volts/div になっていたら、他のチャネルのvolts/divの選択に移動する。もしチャネルがオフなら、 オンになる。
 
ボタン2■
オート・トリガ・レベルのプリセット。デフォルトは1/2、あと3/4、1/4と変わる。
(長押し 1/2秒)マニュアル・トリガ・レベル。トリガ・レベル・コントロールの選択に入る。
(もっと長押し 3秒)キャリブレーション画面
 
ボタン3●
測定値メニュの表示・非表示
(長押し 1-1/2秒)設定の保存
 
ボタン4▲
各種項目の値の切り替え
(長押し 1/2秒)time/div へのショートカット
 
左トグルSW  (注=トグルSWの”センター押し”は丁度真ん中で押さえないと入らない)
トグルの左右操作=各種項目の切り替え
センター押し=選択しているチャネルのトリガ設定。
センター長押し(1/2秒)=測定値メニュが表示されている時は、測定値メニュ・パタンの変更。押す毎に 数種類のパタンが現われる。
測定メニュが非表示の時は、”波形ゲインのキャリブレーション”のオン・オフスイッチになる。 (2段目の”C”と”Uc”表示が切り替わる)
 
右トグルSW
トグルの左右操作=大項目の切り替え
センター押し=フル・バッファモードと、シングルスクリーン・バッファモード の切り替え。
(一番下のギザギザの範囲が変わる。でもセンター押ししただけでは変わらず、左右操作して始めて変わる)
センター長押し(1/2秒)=測定メニュが表示されていれば、測定メニュ項目の選択モードになる。測定メニュ 項目の選択を換えるには、そのままトグルの左右操作をする。
(説明)シングルスクリーン・バッファモードでは、最下段のギザギザの一部の領域の波形表示になるが、その「一部の 表示領域」を動かすには、シングルスクリーン・バッファモードで、大項目を「茶トリガモード設定」で、 ボタン4を押して項目を再下段右端の「XPOS」にして、左トグルSWの左右操作で動かす事ができる。
 
 
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